ドル円・原油デイリー

USD/JPY と WTI 原油の、その日の重要指標と注目ニュースの背景までを毎朝夜に更新。当日特化。事実と出典のみで、想定レンジやシナリオは扱いません。

最終更新 2026-07-03 07:30(朝)

USD/JPY160.91
WTI 原油67.17

次の重要指標(7/5 日)

時刻 指標 注目
23:00 米 6月 ISM 非製造業(サービス業)景況指数 ★★

予想・前回値は信頼できるソースが取れた時のみ掲載・市場コンセンサスのため直前で変動する場合があります。空欄は時刻と項目のみの軽量表示。

注目ニュース・市場の背景

  • 米労働省が 7/2 に発表した 6 月の雇用統計(独立記念日の連休の関係で通常の金曜から木曜に前倒し)で、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比 +5.7 万人と、市場予想(+11 万人前後)を大きく下回った。5 月分も +17.2 万人から +12.9 万人へ下方修正された。一方で失業率は予想(4.3%)に反して 4.2% へ低下したが、これは職探しをやめる人が増えて労働参加率が 0.3 ポイント低下(61.5%・2021 年 3 月以来の低さ)したことが主因。平均時給は前月比 +0.3%・前年同月比 +3.5% だった。

    ▸ 背景:業種別では専門・ビジネスサービス(+3.6 万人)、社会扶助(+2.5 万人)、医療(+2.2 万人)が増えた一方、レジャー・接客は -6.1 万人と大きく減り、労働省は例年より鈍い夏季採用を反映したと説明した。労働市場の減速を示す内容を受けて、金利先物市場が織り込む「FRB が 9 月までに追加利上げする確率」は発表前の 67% から 49% へ低下した。ウォーシュ FRB 議長はかねて、市場は中央銀行のガイダンス(先行き示唆)ではなくデータに依拠すべきだと促している(米労働省 BLS・CNBC・Trading Economics 7/2 発表・報道)。

  • ドル円は 7/2、雇用統計の発表前に一時 162.60 円まで上昇したあと、弱い結果を受けたドル全面安で一時 160.64 円まで約 2 円急落し、160.91 円(前日比 約 -1.0%)で引けた。ドル指数は -0.7% の 100.68。ドル円は約 8 週間ぶりの週間下落(円の週間上昇)に向かっている。この日も政府・日銀による確認された介入はなかった。

    ▸ 背景:円買いを増幅したのが介入を巡る思惑で、この日は「日本の当局が事前の警告なしに抜き打ちで円買い介入に踏み切る選択肢を検討している」との通信社報道が伝わり、「介入の前には必ず口先の警告がある」という市場の前提が揺らいだ。片山さつき財務相は「いつでも為替市場の動向に適切に対応する」と従来の警戒姿勢を繰り返した。市場は引き続き 162.00 円を介入警戒ラインとみている(CNBC・Trading Economics・Mitrade 7/2〜3 報道)。

  • 米株は 7/2、独立記念日の連休前で明暗が分かれた。ダウ工業株 30 種平均は +594.83 ドル(+1.14%)の 52,900.07 と大幅高で史上最高値を更新した一方、S&P 500 は 7,483.24 とほぼ横ばい、ナスダック総合は -207.36(-0.80%)の 25,832.67 と下落した。テスラは 4〜6 月の納車台数が予想を上回ったにもかかわらず約 7% 下落し、AMD・マイクロン・インテルなど半導体株も続落した。

    ▸ 背景:弱い雇用統計が「FRB は当面金利を据え置く」との見方を支え、買いはハイテクからダウ型の景気敏感株・バリュー株(割安株)へ向かった。半導体株は、韓国メモリ大手の急落をきっかけとした売りが続いた。米株式・債券市場は本日 7/3(金)が独立記念日(7/4 土)の振替で全面休場となり、週明け 7/6(月)まで取引はない(Yahoo Finance・TheStreet 7/2 報道)。

  • WTI 原油(期近)は 7/2 に約 2% 下落し、節目の 68 ドルを割り込んで 67.17 ドルと 2 月下旬以来の安値で引けた。カタール仲介の米イラン協議の進展観測と、ホルムズ海峡経由の供給の一段の回復が売り材料となった。

    ▸ 背景:米政権高官は、ドーハでのクシュナー・ウィトコフ両特使とイラン側の実務協議(間接協議)が前進していると説明し、トランプ大統領も 7/1 に「イランとの協議は順調に進んでいる」と述べていた。米当局者によると、ホルムズ海峡の原油通航量は米軍の支援のもと日量 1,000 万バレルを超え、米海軍の封鎖解除後のイランの原油輸出は計 4,000 万バレルを超えた。ロシアの記録的な出荷も重なり、海上在庫の積み上がりが相場の重しになっている(CNBC・Trading Economics・TradingKey 7/1〜2 報道)。

本ページは情報提供のみを目的とし、投資勧誘ではありません。価格・指標は手動更新で正確性・即時性を保証しません。想定レンジやシナリオは扱いません。投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは 免責事項

過去の更新

2026-07-02(朝) USD/JPY 162.69・WTI 69.00

更新 2026-07-02 07:30

指標: 21:30 米 6月 雇用統計 非農業部門雇用者数(NFP) / 21:30 米 6月 失業率

  • ドル円は 7/1 に一段と上昇し、取引時間中に一時 162.78 円と 1986 年以来(約 40 年ぶり)の歴史的な円安・ドル高水準を更新、162.69 円で引けた。これまで介入警戒線とされてきた 162.00 円を明確に上抜けたことを受け、市場は 162.00 円を「新たな介入警戒ライン」とみており、162.5〜163 円のゾーンは当局が円買い介入に動きうるリスクの高い水準とされる。政府・日銀による確認された介入は、この日もなかった。

    ▸ 背景:円安の主因は、日米の大きな金利差にある。米 FRB(ウォーシュ議長)の政策金利が 3.50〜3.75%、日銀が 1.0% 前後で、その差(約 250〜275bp)を背景にした円キャリートレード(低金利の円を売って高金利通貨で運用する取引)による円売り圧力が根強い。財務省・日銀は 4 月末〜5 月にかけて過去最大規模とされる約 11.7 兆円(約 730 億ドル)の円買い介入を実施したが、それでも円安の流れは止まっていない。ウォーシュ議長はこの日、ポルトガル・シントラで開かれた ECB 主催の中央銀行フォーラムのパネルに、ラガルド ECB 総裁らと並んで参加した(CNBC・ING・Trading Economics 7/1 報道)。

  • 日銀が 7/1 朝に発表した 6 月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、前回 3 月調査から 5 ポイント改善してプラス 22 となった。市場の事前予想(民間シンクタンクの中心は +15 前後で、DI 低下を見込む向きもあった)を大きく上回り、約 8 年ぶりの高水準・5 四半期連続の改善となった。

    ▸ 背景:人工知能(AI)や半導体関連の堅調な需要が景況感を支えた。一方で先行き(3 ヶ月後)については悪化を見込んでおり、原油やナフサ(石油化学の基礎原料)の供給混乱などによるコスト上昇が懸念材料に挙げられている。短観の強さは日銀の追加利上げ観測を後押しする内容だが、外国為替市場では日米金利差主導の円売りが優勢で、円買いにはほとんど繋がらなかった(日本経済新聞・時事通信 7/1 報道)。

  • 米国の給与計算大手 ADP が 7/1 に発表した 6 月の全米雇用報告(民間部門の雇用者数)は、前月比 +9.8 万人と、市場予想(+11 万人前後)を下回り、5 月の +12.2 万人からも伸びが鈍化した。増加のほぼ半分(+4.8 万人)は教育・医療サービス部門が占めた。賃金は前年同月比 +4.4% だった。

    ▸ 背景:ADP の雇用報告は、政府の雇用統計に先行して出る民間指標。ADP のチーフエコノミストは「採用のペースは、労働の供給・需要の両面を映している。求職に時間がかかる一方、一部の業種では労働供給の制約もみられ、当面は雇用創出の鈍化として表れている」と述べた。労働需要の鈍化を示す内容で、本日 7/2 の政府の雇用統計を前に、FRB の政策を占う手掛かりとして受け止められた(CNBC・Fox Business 7/1 報道)。

  • 米株は 7/1、四半期明け・下期入りの初日に小幅に反落した。ダウ工業株 30 種平均は前日比 -14 ドル(-0.03%)の 52,305.24 と小動きにとどまった一方、S&P 500 は -0.22%、ナスダック総合は -0.66% と下げた。通信・金融株が相場を下支えしたが、前日までのハイテク・半導体株の戻りが続かず、上値を抑えた。

    ▸ 背景:4〜6 月(Q2)に主要 3 指数が 2020 年以来で最も好調な四半期を締めくくったあとの、利益確定を交えた一服。今週は 7/2(木)に前倒しの米雇用統計を控え、その 7/2 が短縮取引、7/3(金)は独立記念日(7/4 土)の振替で全面休場となる。薄商いのなか、雇用統計待ちの様子見ムードが広がった(TheStreet・Schwab 7/1 報道)。

  • WTI 原油(期近)は 7/1、節目の 70 ドルを挟んで方向感に乏しく、69 ドル前後で推移した(取引時間中の安値は 68 ドル台前半)。米イランのドーハでの和平協議の行方を見極めたいとの様子見が広がった。米石油協会(API)の集計では、前週の米原油在庫が約 607 万バレル減少(取り崩し)と伝えられたが、相場の支えは限定的だった。

    ▸ 背景:原油は 4〜6 月(Q2)に約 30% 下落し、2020 年(コロナ禍初期)以来で最大の四半期下落を記録したばかり。ホルムズ海峡のタンカー通航の本格回復と、米国が発給したイラン産原油の 60 日販売ライセンス(制裁の適用除外)による供給復帰が、引き続き上値を抑える構図が続いている(Trading Economics・FXDailyReport 7/1 報道)。

2026-07-01(朝) USD/JPY 162.55・WTI 69.97

更新 2026-07-01 07:30

指標: 08:50 日銀短観 6月調査 大企業製造業 業況判断DI / 23:00 米 5月 JOLTS 求人件数

  • WTI 原油(期近)は 6/30 に約 1% 下落し、69.97 ドルと再び節目の 70 ドルを割り込んで引けた。指標の Brent も 73 ドル台へ下げた。4〜6 月(第 2 四半期)でみると WTI・Brent はともに約 30% 安と、2020 年(コロナ禍初期)以来で最大の四半期下落を記録した。6 月単月でも WTI は約 2 割安、Brent は 3 ヶ月連続の下落となった。

    ▸ 背景:米イランの停戦・暫定合意を受けてホルムズ海峡のタンカー通航が本格的に回復し、ペルシャ湾内に滞留していた原油が市場へ放出されたうえ、米国が 6/22 に発給したイラン産原油の 60 日販売ライセンス(制裁の適用除外)で供給がさらに戻ったことが、四半期を通じた下落の主因。3 ヶ月超に及んだ米イランの戦争でも産油施設は概ね無傷で、市場が当初警戒した供給ショックは現実化せず、地政学プレミアム(戦争・供給不安による価格の上乗せ分)の剥落が続いた(CNBC・Trading Economics 6/30 報道)。

  • 米国とイランの協議が 6/30(火)にカタールの首都ドーハで始まったが、波乱含みのスタートとなった。協議はスティーブ・ウィトコフ米特使とイランのガリブアバディ外務次官が率いる実務レベルで、両者は直接顔を合わせず、カタール当局者が仲介する形をとった。議題は 6 月の暫定合意の履行と、凍結されているイラン資産(約 60 億ドル)の扱い。

    ▸ 背景:トランプ大統領は 6/29、イランが「会談を要請した」と述べたが、イラン外務省のバゲイ報道官は「今後数日間、米国側とのいかなるレベルの会談も予定されていない」と直接協議を否定し、双方の説明に食い違いが出た。イランは最終合意に入る前に暫定合意の条件履行が先だとの立場を崩しておらず、ホルムズ海峡を巡る第三者の介入も拒否している。合意の履行はなお予断を許さない(Al Jazeera・Fox News・CNN 6/30 報道)。

  • ドル円は 6/30 に 162 円を上抜け、一時 162.5 円台と 1986 年以来の歴史的な円安・ドル高水準を更新した。これまで市場が「当局が大規模な円買い介入に踏み切りうる」と警戒してきた節目の 162.00 円を超えてもなお、政府・日銀による確認された介入はなかった。

    ▸ 背景:日米の金利差を背景にした円キャリートレード(低金利の円を売って高金利通貨で運用する取引)による円売り圧力が根強い。日銀が緩やかな利上げにとどまる一方、米 FRB は年内の追加利上げが見込まれ、拡大した金利差が円の重しとなっている。財務省・日銀は警戒姿勢を続けるが、約 2 ヶ月前(4/30)の大規模な円買い介入以降も円安の流れは止まっていない。本日 7/1 朝の日銀短観が、日銀の追加利上げ観測を左右する手掛かりとして注目される(Trading Economics・各社 6/30 報道)。

  • 米株は 6/30 の四半期末の取引で、ハイテク株の戻りと地政学リスクの一段の後退を背景に堅調に推移し、S&P 500 とナスダック総合は約 6 年ぶりの好調な四半期(Q2)を締めくくった。ダウ工業株 30 種平均も 2022 年以来で最高の四半期となった。前日 6/29 には、ダウが史上初めて 52,000 ドルの大台に乗せて引けた(52,182.74 ドル)ばかりだった。

    ▸ 背景:4〜6 月期は中東情勢を巡る地政学リスクに揺れたが、原油安によるインフレ警戒の後退と、AI 関連を中心としたハイテク株の上昇が相場を支えた。6/30 は米イランがドーハで協議入りしたことによる地政学リスクの一段の後退が、買いを後押しした(Investing.com・FXEmpire 6/30 報道)。

2026-06-30(朝) USD/JPY 161.63・WTI 70.56

更新 2026-06-30 07:30

  • 米国とイランの軍事的緊張が週末に再燃し、その後いったん沈静化した。6/27 に米軍が、ホルムズ海峡での船舶へのイランによるとされる攻撃への報復として、イランの軍事監視インフラ・通信・防空拠点・ドローン貯蔵施設・機雷敷設能力を空爆。6/28 にはイランが、米軍によるイラン沿岸 5 拠点への攻撃への報復として、クウェートの米アリ・アルサレム空軍基地とバーレーンの米第 5 艦隊司令部へ弾道ミサイルとドローンを発射したと表明した。その後、米イランは相互攻撃の停止で合意し、トランプ大統領の特使スティーブ・ウィトコフ氏とジャレッド・クシュナー氏が本日 6/30(火)にドーハで、カタール首長・同国首相・地域当局者とホルムズ海峡を巡る協議に臨む。

    ▸ 背景:6/17〜18 の暫定合意(覚書)後に進んでいた沈静化が、週末の応酬でいったん逆転した。6/28 にはイランのドローン攻撃の破片でカタール市民 1 人が死亡したと、カタール側が「軍事作戦」によるものとして発表している。今回の協議は当初スイスでイランの核問題を扱う予定だったが、緊張の激化を受けて開催地をドーハへ移し、焦点をホルムズ海峡へ移した(Axios・Times of Israel・Wikipedia「2026 Iran war」・CNBC 6/27〜29 報道)。

  • WTI 原油(期近)は 6/29 に約 +1.9% 上昇して 70.56 ドルと、節目の 70 ドル台を回復した。前週末 6/26(金)に一時 70 ドルを割り込み、2 月 27 日以来の安値を付けたあとの反発となった。指標の Brent も +1.3% の 72.91 ドルへ上昇した。

    ▸ 背景:週末の米イランの軍事的応酬で供給途絶への警戒が改めて高まったうえ、その後の相互攻撃の停止合意も相場を支えた。もっとも、本日 6/30 のドーハ協議が不調に終われば、ホルムズ海峡での緊張が再燃して供給が逼迫しかねないとの懸念は残る。原油は 4 月に付けた高値からは依然として大きく水準を切り下げた状態にある(CNBC・Trading Economics 6/29 報道)。

  • 米株は 6/29 に大きく上昇した。ダウ工業株 30 種平均は +306.63 ドル(+0.59%)の 52,182.74 と、史上初めて 52,000 ドルの大台を超えて引けた。S&P 500 は +1.18% の 7,440.43、ナスダックは +2.07% の 25,820.14 と、ハイテク主導で上昇した。

    ▸ 背景:この日からアルファベット(グーグル)がベライゾンに代わってダウ平均の構成銘柄に採用され、初日のアルファベット株は約 4.8% 高、外れたベライゾンは約 5.2% 安となった。価格加重平均のダウは、この入れ替えで AI・クラウド・デジタル広告への比重が高まる。先週末に S&P・ナスダックがともに大きく下げた反動に加え、米イランの攻撃停止合意を受けたリスク選好の回復が、ハイテク中心の上昇を後押しした(CNBC・Quartz・Yahoo Finance 6/29 報道)。

  • ドル円は 6/29 に 161.6 円前後(前営業日終値 161.79 円・足元 161.63 円近辺)で小動きとなり、1986 年以来の歴史的な円安・ドル高水準の近くにとどまった。週末の地政学リスクによる円買い(安全資産としての円の買い戻し)は限定的だった。

    ▸ 背景:度重なる口先介入が円の支えにほとんどならない状況が続き、日米の金利差を背景にした円キャリートレード(低金利の円を売って高金利通貨で運用する取引)による円売り圧力が根強い。市場参加者は 162.00 円を、当局が再び大規模な円買い介入に踏み切りうる水準として警戒している(Trading Economics・各社 6/29 報道)。

2026-06-26(朝) USD/JPY 161.70・WTI 71.54

更新 2026-06-26 07:30

指標: 08:30 東京都区部 6月 コア CPI(生鮮食品を除く・速報)

  • 米商務省(経済分析局=BEA)が 6/25 に発表した 5 月の個人消費支出(PCE)物価指数は、総合で前年同月比 +4.1% と市場予想どおりながら、4 月の +3.8% から伸びを加速させ、約 3 年ぶり(2023 年 4 月以来)の高さとなった。FRB が最も重視するコア PCE(食品・エネルギーを除く)は前年比 +3.4% と、予想(+3.3%)をやや上回り、2023 年 10 月以来の高い伸びとなった。

    ▸ 背景:インフレ加速の主因は、米イラン戦争で 4 月にかけて急騰した原油・ガソリン価格にある。もっとも、その原油はホルムズ海峡の再開で足元では大きく水準を切り下げており(指標の Brent は直近で 73 ドル台と、ピークの約 114 ドルから 35% 超下落)、エコノミストの多くは 5 月がインフレのピークになるとみている。オックスフォード・エコノミクスのキャシー・ボスチャンチッチ氏は「ホルムズ海峡が開いたままなら、総合インフレはすでにピークを付け、年後半は低下に向かう」と述べた。FRB は 6/17 の FOMC で金利を据え置きつつ年内利上げの可能性を残しており、今回の上振れは追加利上げ観測を左右する内容として注目された(CBS・NBC・米 BEA 6/25 報道)。

  • 米株は 6/25 にまちまちで引けた。ダウ工業株 30 種平均は +0.14% の 51,920.62 と小幅高となった一方、S&P 500 は -0.01% の 7,357.49、ナスダックは -0.46% の 25,358.60 と 4 日続落した。半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が約 16% 急騰して指数を支えたが、アップル(-6.13%)とマイクロソフト(-3.23%)の急落がそれを打ち消した。

    ▸ 背景:前日 6/24 の引け後に発表したマイクロンの好決算(AI データセンター向けメモリの需要・価格が好調)を受け、メモリ関連株が広く買われた。ところが同じメモリ高は端末メーカーには逆風で、アップルは MacBook や iPad など一部機種を 100〜300 ドル値上げ(新型 MacBook Neo は 599→699 ドル)、マイクロソフトも Xbox を 100〜150 ドル値上げすると発表した。AI による世界的なメモリ需給逼迫が消費者向け製品の価格に波及し始めたことが嫌気され、「マグニフィセント・セブン」が連日売られた。朝方発表の 5 月 PCE の上振れも重しとなった(TheStreet・Benzinga・Motley Fool・CBS 6/25 報道)。

  • WTI 原油(期近)は 6/25 に約 +1.7% 反発し、71.5 ドル前後(71.54 ドル)で引けた。前日 6/24 に取引時間中の一時 69.63 ドルまで下げて 3 月以来の 70 ドル割れを付けたあとの、数日ぶりの戻りとなった。

    ▸ 背景:ホルムズ海峡のタンカー通航が本格的に回復し、米イランの和平協議が進展して供給回復観測が強まる中で、原油は前週から続落していた。6/25 の上昇は売られすぎからの自律反発の色合いが濃く、原油は依然として 4 月に付けた高値から大きく水準を切り下げた安値圏にとどまっている。OPEC+ の 7 月増産(日量 18.8 万バレル)も引き続き上値を抑える材料となっている(Trading Economics 6/25 時点)。

  • ドル円は 6/25 に 161.7 円前後で推移し、1986 年以来の歴史的な円安・ドル高水準の近くにとどまった。朝方発表の 5 月 PCE が予想を上回ったことで、タカ派的な FRB と日米金利差(約 275bp)が改めて意識され、円は上値の重い展開が続いた。

    ▸ 背景:片山さつき財務相は、スコット・ベッセント米財務長官と会談し、必要に応じて為替市場で協調する用意があるとの認識を共有したと明らかにした。ただ度重なる口先介入は円の支えにはほとんどならず、市場参加者は 162.00 円を、当局が再び大規模な円買い介入に踏み切りうる水準として警戒している。日米金利差を背景にした円キャリートレード(低金利の円を売って高金利通貨で運用する取引)による円売り圧力が続いている(ActionForex・FXStreet・Trading Economics 6/25 報道)。