Cloudflare に独自ドメインを設定する
サイトを Cloudflare Pages で公開 すると、最初は xxxx.pages.dev のような自動ドメインが割り当たります。動作確認には十分ですが、人に見せる・育てるサイトなら、やはり自分のドメインを当てたい。本サイト novelarena.jp も、取得したドメインを Cloudflare につなぎ、Pages にカスタムドメインとして足す形で公開しています。
この記事では、その「ドメインを Cloudflare に載せて、独自ドメインで配信する」までを、実際にやった順番でたどります。DNS をいじるのは初めてだと身構えがちですが、覚えるレコードは数種類で、Pages を使うなら SSL まで自動で付きます。
全体像:3 ステップで終わる
やることは大きく 3 つだけです。
- ドメインを Cloudflare の管理下に入れる(ネームサーバーを Cloudflare に向ける)
- DNS レコードを整える(どのドメインを、どこに向けるか)
- Pages にカスタムドメインを足す(Pages 配信なら、ここが実質ゴール)
順に見ていきます。
ステップ 1:ドメインを Cloudflare に載せる
ドメインをどこで取ったかで、入口が 2 つに分かれます。
(A) Cloudflare で取得する場合(Cloudflare Registrar) ダッシュボードからドメインを買えば、最初から Cloudflare の管理下です。ネームサーバーの設定は不要 ── ステップ 1 はこれで完了します。いちばん迷いません。
(B) 他社(お名前.com・ムームードメイン・Google Domains など)で取った場合 このときは「ネームサーバー(NS)の付け替え」が必要です。流れはこうです。
dash.cloudflare.com→ Add a site で自分のドメインを入力。- Cloudflare が既存の DNS レコードを自動スキャンし、見つかった分を取り込んでくれる(後で確認・修正できます)。
- プラン選択(個人サイトなら Free で十分)。
- Cloudflare が 2 つのネームサーバー(例:
xxx.ns.cloudflare.com)を提示する。 - ドメインを買った会社の管理画面を開き、ネームサーバーをその 2 つに置き換える。
ここがこの作業でいちばん「サイト側ではなくレジストラ側を触る」ポイントです。置き換えると、そのドメインの DNS の主導権が Cloudflare に移ります。反映には数分〜場合により最大 48 時間かかることがあり、Cloudflare 側のステータスが Active になれば完了です。
ステップ 2:DNS レコードの最小知識
Cloudflare の DNS 画面に並ぶレコードは、種類さえ分かれば怖くありません。個人開発で使うのはほぼ次の 4 つです。
| レコード | 役割 | 値の例 |
|---|---|---|
| A | ドメインを IPv4 アドレスに向ける | 192.0.2.1 |
| AAAA | ドメインを IPv6 アドレスに向ける | 2606:... |
| CNAME | 別のホスト名へ転送(別名) | your-app.pages.dev |
| TXT | 所有確認・メール認証など文字列を置く | google-site-verification=... |
サーバーの IP に直接向けるなら A レコード、別のホスト名に乗せるなら CNAME ── という大枠だけ掴めば十分です。なお、Pages にカスタムドメインを足す方式(ステップ 3)では、これらのレコードは Cloudflare がほぼ自動で作ってくれるので、手書きする場面はあまりありません。
オレンジ雲(プロキシ)の意味
各レコードの横にある雲アイコンは、Cloudflare の重要な仕掛けです。
- オレンジ雲(Proxied) … 通信が Cloudflare を経由する。CDN・SSL・キャッシュが効き、元サーバーの IP が隠れる。
- グレー雲(DNS only) … Cloudflare は名前解決だけして、通信は素通り。
サイト配信なら基本はオレンジ雲です。ただしメール(MX)や一部の認証用レコードはグレー雲にする必要があるので、「Web はオレンジ、メール系はグレー」とざっくり覚えておくと事故りません。
ステップ 3:Pages にカスタムドメインを足す(ここが本命)
Cloudflare Pages でサイトを配信しているなら、DNS を手書きするより、Pages 側からドメインを足すのが正解です。本サイトもこの方式です。
- Pages プロジェクトを開く → Custom domains → Set up a domain。
- 使いたいドメイン(例:
novelarena.jp)を入力。 - そのドメインが同じ Cloudflare アカウントにある場合、Cloudflare が必要な CNAME を自動で作成し、SSL 証明書も自動で発行してくれる。
つまり、A レコードや CNAME を自分で打つ必要がほぼありません。Active になれば、https://あなたのドメイン でサイトが開きます。HTTPS(鍵マーク)も自動で、証明書の更新も Cloudflare 任せ ── ここが Pages のいちばん楽なところです。
補足:Cloudflare Pages 以外(自前の Workers や外部サーバー)に向けるなら、ステップ 2 の A / CNAME を手で設定します。Workers にデプロイした API に独自ドメインを当てるときは、Workers 側の Custom Domains / Routes から設定するのが定石です。
www と apex(裸ドメイン)をどうするか
「example.com と www.example.com の両方で開きたい」問題です。
- apex(裸ドメイン) …
novelarena.jpのようにwwwが付かない形。本来 CNAME は apex に置けませんが、Cloudflare の CNAME フラッティングが裏で吸収するため、Pages のカスタムドメインとして普通に使えます。 - www …
www.novelarena.jp。これも Pages の Custom domains から別途足せます。
実務では、どちらかを正(canonical)に決めて、もう一方をリダイレクトします。Cloudflare の **Redirect Rules(リダイレクトルール)**で「www → 裸ドメイン」のように 301 で寄せれば、URL が 2 つに割れて 検索評価が分散する のを防げます。本サイトは裸ドメイン novelarena.jp を正にしています。
SSL は自動、ただしモードだけ確認
Pages のカスタムドメインなら証明書は自動発行なので、基本ノータッチで HTTPS になります。自前サーバーに向ける場合だけ、SSL/TLS のモードを見ておきます。
- Full(strict) … 推奨。元サーバーも正しい証明書で暗号化していることが前提。
- Flexible … 訪問者〜Cloudflare 間だけ暗号化。手軽だが元サーバーまでは平文 ── 可能なら避ける。
Pages 利用なら、ここは Cloudflare が適切に管理してくれるので、深追い不要です。
挫折ポイント
- ネームサーバーを変えたのに反映されない … レジストラ側の保存忘れ、または単に伝播待ち。Cloudflare の overview が
Activeになるまで待つ(数分〜最大 48 時間)。慌てて何度も変えない。 - Pages 配信なのに DNS を手書きして二重定義 … Custom domains から足せば CNAME は自動。さらに手で A/CNAME を打つと競合します。Pages を使うなら Pages 側からが原則。
- オレンジ雲とグレー雲の取り違え … Web をグレー雲にすると CDN も SSL も効かない。メール系をオレンジ雲にすると配送がおかしくなる。「Web はオレンジ、メール系はグレー」。
- www と裸ドメインを両方とも“正”にしてしまう … 両方が 200 で開くと URL が割れる。片方を 301 リダイレクトで寄せる。
- 元サイトがまだ別 DNS を見ている … ネームサーバーを移す前の古いレコードが残っていると、思った先に向かない。Cloudflare のスキャン結果を一度棚卸しする。
- TXT(所有確認)を消してしまう … Search Console や各種サービスの確認用 TXT を整理時に消すと認証が切れる。用途不明の TXT は消す前に確認。
まとめ:Pages なら「載せて・足す」だけ
独自ドメイン設定は、身構えるほど複雑ではありません。
- ドメインを Cloudflare に載せる(他社取得ならネームサーバーを Cloudflare へ)
- DNS は A / CNAME / TXT の役割だけ押さえる(Pages 方式なら手書きはほぼ不要)
- Pages の Custom domains から足す → CNAME も SSL も自動 →
https://あなたのドメインで公開
本サイト novelarena.jp も、この流れで pages.dev の仮ドメインから独自ドメインへ切り替えました。いちばんの肝は、Pages を使うなら DNS を手で組まず、Pages 側からドメインを足すこと ── これだけで、SSL を含めて大半が自動で片づきます。
公開の土台(Pages デプロイ)、API の置き場(Workers)、データの置き場(D1 / KV / R2)と合わせれば、個人開発のホスティングはひと通り Cloudflare で完結します。
ドメインを当て、HTTPS で公開し、解析まで入れた ── それでも 読まれない/登録に至らない なら、足りないのは技術ではなく言葉かもしれません。公開した後に効く「素通りされない書き方」を、個人開発者・インディー Web 作者・動画作者向けに WHY → HOW で 1 冊にまとめたのが、下記の本です。